土壌汚染とは
- 土壌が人間にとって有害な物質により汚染された状態のこと。
- 土壌汚染対策法では、人の健康被害の防止の観点から定められた基準を超える有害な物質が土壌中に検出された場合、土壌汚染ありと判断されます。
- 土壌よりも地下水が問題になる
- 人為的原因のほか天然由来の汚染も対象となる
- 健康リスク=(有害性)×(摂取量)
土壌汚染対策法は平成15年に施行され、土壌汚染の判明数は年々増加傾向にあり、世間の目も厳しくなってきています。
土壌汚染状況調査を実施する場合
以下の場合には、法に基づいて土壌汚染状況調査を実施しなければなりません。
また、法で指定された場合以外にも、土地を売買する場合など自主調査する場合は多々あります。
法に基づく調査が必要となる条件
①有害物質使用特定施設の使用を廃止したとき(法第3条)
- 操業を続ける場合には、一時的に調査の免除を受けることも可能(法第3条第1項ただし書)
- 一時的に調査の免除を受けた土地で、900㎡以上の土地の形質の変更を行う際には届出を行い、都道府県知事等の命令を受けて土壌汚染状況調査を行うこと(法第3条第7項・第8項)
②一定規模以上の土地の形質の変更の届出の際に、土壌汚染のおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第4条)
- 3,000㎡以上の土地の形質の変更又は現に有害物質使用特定施設が設置されている土地では900㎡以上の土地の形質の変更を行う場合に届出を行うこと
- 土地の所有者等の全員の同意を得て、上記の届出の前に調査を行い、届出の際に併せて当該調査結果を提出することも可能(法第4条第2項)
③土壌汚染により健康被害が生ずるおそれがあると都道府県知事等が認めるとき(法第5条)
自主調査で汚染が判明した場合の区域指定申請
④自主調査において土壌汚染が判明した場合に土地の所有者等が都道府県知事等に区域の指定を申請できる(法第14条)
土壌汚染調査
土壌汚染調査の大まかな流れは以下の通りです。
1.地歴調査
- 資料調査(建物図面、届出資料、古地図、過去の空中写真、登記事項など)
- 現地調査(建物配置、配管経路、盛土状況など)
- 聴取調査(関係者から土地利用状況聴取り)
古地図および古写真
2.調査対象の有害物質を選定
- 人為的 or 自然由来
- 第一種~第三種特定有害物質から、状況に応じて資料調査から絞込む。
3.土壌汚染のおそれ区分分類
- 土壌汚染が存在するおそれがないと認められる土地
- 土壌汚染が存在するおそれれが少ないと認められる土地→試料採取計画策定
- 土壌汚染が存在するおそれが比較的多いと認められる土地→試料採取計画策定
- 地歴調査の結果から、区画区分、試料採取方法を決定します。
- 現地状況によって地下水を試料とすることもあります。
4.試料採取計画策定
試料採取計画
5.試料採取
試料採取(ボーリング)
採取試料
6.土壌分析
分析結果(クロマトチャート)
7.調査結果の評価
- 分析結果を正確に読み取り、特定有害物質ごとに各基準と照らし合わせて土壌汚染の状況を評価します。
- 必要に応じて区域指定された汚染土壌の措置方法を提案します。
8.措置の提案
汚染土壌の措置方法例